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2025

1年後に今の自分の期待を裏切りたい

同期の佐々木からパスを受けました、3年生でかつ2026年日本アマチュアゴルフ選手権優勝候補の白野です。優勝候補なのですから予選くらい免除してくれてもいいと思いますよ、JGAさん。それではどうぞよろしくお願いいたします。


前回ブログを書いたときにも思ったことですが、やはりせっかくブログを書くのですからこの時間は無駄にはしたくありません。あとから振り返って読んだときに、将来の自分にとって何か有益であったり気づきをもらえたりするブログにしたいと思っています。


そんな訳で今回は、自分が主将になる日が近づいてきている中で、最近感じていることを書こうと思います。少し真面目な話になってしまうかもしれませんが、興味があればお付き合いください。


まず初めに私の近況から少し話そうかと思います。前回ブログを更新したのは2S真っ只中の2024年の6月11日でした。ブログを書いている現在は2025年の6月7日。ちょうど1年が経過し、現在は3S真っ只中です。1年前と現在で大きく変わったことが2つあります。1つ目は、行かなくてはいけない授業が週0コマから週1コマになったこと。これはかなりの痛手です。金曜の4限にゼミが入ったので金曜は午後ランに行くことができなくなってしまいました。悲しいです。金曜にラウンドの予定を入れることもたまにしかできなくなってしまいました。しかし今回のブログを書くにあたってそれはあまり重要ではありません。重要になってくるのは2つ目、ゴルフ部の運営や方針について考える機会が増えたことです。自分たちの代でゴルフ部をどうしていきたいかについての話題も同期と話していてよく出てきますし、1年生向けの駒場での講習会や北谷津での練習会の運営は私たち3年生の代が担当しました。リーグ戦が終わった後に反省会を行って今後のチームとしての方針を決めたり、最近スポンサー契約を結んだSky株式会社から頂いた資金の使い道を決めたりといった各種のミーティングに参加する機会も増えました。こうした状況に置かれると、色々と思うこと・考えることがあるわけです。


今振り返ってみると2Sの時は本当に自分のゴルフだけを考えていたのだなと思います。「2年後に今の自分を下手だと笑いたい」という当時のブログのタイトルがそれを物語っています。ですが2Sにおいてはそれで大正解。本当に幸せな時期だと思います。2年生にはぜひこの時期を最高に謳歌して欲しいです。


現在は3年生の6月。主将・白野直遥が誕生するまで残された期間は4か月もありません。東大ゴルフ部の慣習に従って、私たちの代は実力を基準に主将を決めましたが、どうやら他の大学のゴルフ部はそうでもないようです。チームを引っ張る主将と実力のあるエースとで棲み分けがされているケースも多くあります。その2つだったら個人的には性格的にもエースの方に近いとは思います。主将という役割を全うできるかまだ少し不安な部分はあります。しかし主将をやると決まった以上、もう誰にも譲る気はありません。主将とエースの両方の役割を果たそうと思います。そう、白野直遥は最高に欲張りなのです。


上級生になるにつれて、自分のゴルフだけを考えているだけでは許されなくなります。特に執行代になると、リーグ戦における強いチームの育成方針を考える必要がありますし、さらに広い視野で見ると、ゴルフ部全体としてのあり方や下級生の育成にも力を入れる必要があります。もちろん他にも考えるべきことは多くあるわけです。それらを考えるために、まずは「東大ゴルフ部をどうしていきたいか」という方針が明確に定まっている必要があります。これは同期の光岡にも先日言われたことです。ですので現時点で私が考える、これからの東大ゴルフ部の方針を述べておこうと思います。


チームとしては、毎年Bブロック昇格を目指すことができ、Bブロック残留もできるようなチームにしていきたいと考えています。現在の東海大学や神奈川大学より少し上のレベルです。そのために、そのレベルに達することができるような東大ゴルフ部という組織をつくることが大切になります。組織としては、理想を語るなら全員が同じ方向を向いていて欲しい。全員がリーグ戦で活躍することを目指して練習するようになって欲しいと思います。しかし多分なかなかそれは難しい。だけれどもできるだけ多くの人がレギュラーで活躍することを目指して高めあう、そんな雰囲気がどの学年にも存在しているような部にしてきたいと思います。


綺麗事を並べてしまいました。今述べたことは完全に私の思い描く将来の理想像でしかありません。少し現実を見てみようと思います。入部してからずっと思い続けていることですが、自分が4年生で卒部するときにはもしCリーグにいるなら最後の秋リーグ戦で優勝という形で終わりたいと思っています。私の代には経験者も多かったですし、優勝の可能性は大いにあると感じていました。しかし先日光岡に「現実的には秋リーグ戦で優勝できるのは今年で最後だろう」と言われてしまいました。少し考えてみたのですが確かにそうです。来年には現在のチームの大きな戦力である濱島さんとまさえもんさんが抜けてしまう。それに対してその2人と匹敵するような実力を持ったプレーヤーが成長してくるのは中々難しい。今のところ、来年の1年生で上手い子が入ってこない限りは、大きく戦力ダウンした状態で来年の秋リーグ戦を迎える可能性が高いです。


この現状を見て思うことがあります。結局今も、かつてと同じような「経験者ガチャ」に陥ってしまっているのではないかと。この言葉は3年前に当時の主務であった清水さんが、最後のブログを書く際に使っていた言葉です。実際今年の春リーグ戦で試合に出ていた6人は、(程度の差はあれど)全員が経験者でした。清水さんのブログの最後には以下のような文章が書かれていました。


『東大ゴルフ部の強さは「チーム力」だと思っています。組織体制を整え、ノウハウを蓄積していけば、いつかはリーグ戦をパープレーで回る未経験の選手を安定して輩出することができると本気で信じています。』


この言葉に嘘はないと思います。しかし、清水さんが卒部されて以来、未経験の選手を輩出する組織体制は整備されてきたでしょうか。個人的には自信をもって「イエス」と答えることはできないと思います。近年東大ゴルフ部においてはベストが70台で入部するような、いわゆる巨経験者が少なくなってきています。こうした中において、未経験者を育成する組織体制をしっかりと構築することは何よりも大切だと思います。もちろん即戦力ではない経験者をより高いレベルまで育成することも非常に大事でしょう。


しかしながら残念なことに、私たちの代が執行代となる10月からどんなに頑張って育成体制を整備したとしても手遅れ感は否めません。来年の秋リーグ戦もおそらくロックヒル・ロックでしょう。育成の目標となるのはそこで安定して70台を出せる選手。今の1年生は(経験者であっても)正直1年でそこのレベルに達するのはほぼ不可能でしょう。期待しているところで言うと今の2年生の青ティー昇格組です。サポート体制はしっかり整備するつもりですが、目標に到達するのは相当険しい道のりだと思います。


こうやって現実的な目線で来年のことを考えていくと、だんだんと(あまり明るくない)未来のことが見えてきます。下級生の育成体制をきちんと整備してもしなくても、私たちの代のリーグ戦における結果はあまり変わらないでしょう。ただ、だからと言ってそうした組織体制を整備することを放棄するつもりはありません。東大ゴルフ部はこの先も長いこと続いていくでしょう。そうした未来の東大ゴルフ部に少しでも何かを残したい、そう強く思います。何なら後世のためにしっかりとした未経験者・微経験者を育成する体制を整備することは、今の自分が上達するよりもよっぽど大事なことだと思います。


執行代としての1年間は本当に短い(のでしょう、おそらく)。自分たちがやっていることの効果が、卒部までに現われないことも多くあると思います。だからこそ、もう少し早くから(個人的には2Aの段階から)自分たちの代の方針を考えておくべきだったと思います。後輩の代にはそうした思いをしてほしくありません。特に今の2年生の代には、早い段階から自分たちが執行代になった時の体制・運営を考え、私たちの代と方針が異なった際には意見を言ってもらいたいと思っています。


しっかりとした育成の組織体制を整備するために私が感じている課題が2つあります。まず1つ目が、部としての練習が週に1度しかなく、それ以外の練習量がほぼ完全に各個人に委ねられてしまっている点です。他の方もよくブログで書いていますが、東大ゴルフ部は良い意味でも悪い意味でも自主性を重んじる部活です。デフォ練は週に1回しかありませんし、一応朝練も週に1回ありますが休むことも難しくはありません。しかしこの点においてはこの自主性を重んじる東大ゴルフ部の性格は悪い方向に働いていると感じています。「デフォ練は週に1度だけ、あとは自主的に練習してください」という状況では、モチベーション的にも上がらず、デフォ練の時しか練習しない人が生まれてしまうのも無理はないと思います。これに関しては特に入部したての1年生に及ぼす影響が非常に大きいと思います。入部したばかりの1年生は週にどれくらい練習すればいいのか全く分からないわけです。最終的にレギュラーを目指すにあたってほぼ毎日レベルで練習するための「練習癖」を早い段階でつけるためにも、1年生だけでももう少しデフォ練の回数は多くあってもいいのではないかと思っています。2Sになればゴルフ漬けの日々を送れるようになる、としばしば言われますが、個人的には2Sから本格的にやるようでは少し遅いと考えています。初心者始めで上手くなっている他大学の選手に話を聞くと、1年生の頃からエンジン全開でゴルフに取り組んでいる人がほとんどです。新しく入部した1年生には早い段階でゴルフの魅力にハマって欲しいし、競技ゴルフというフィールドでより高みを目指そうという気持ちを持って欲しい。そのためにも1年生だけでも部としての練習機会は増やしたいと考えています。


2つ目が下級生を教える方針が完全に定まっていない点です。現状、1年生には班のグループラインで毎週練習報告をしてもらい、それに対して上級生が回答するという体制がとられています。またデフォ練の際には、手が空いている上級生が気づいたことを教えてあげたりもしています。良い制度だとは思いますが、これでは教える人がその都度その都度で変わるので、様々な人から多くのことを言われると1年生は混乱してしまう恐れがあります。またライン上では動画でしかスイングを確認できず、対面で教えるのに比べて限界があります。教える側をもう少し固定化したうえで、練習場・ライン上両方で1年生がその上級生にアドバイスを受けられる関係を構築していくのは結構大事ではないかと思います。また上手くなるための道筋を早い段階から1年生に示せると良いと思います。大学始めでレギュラーに入った先輩方は過去にいるわけですから、そうした先輩がどのような過程を経て上手くなったのかといったメソッドは体系化して1年生に提供するべきです。初心者始めの人には、その人たち用の練習メニューを組むのもいいと思います。


自分が今感じていることを長々と書き連ねてきました。ただ、冒頭にも書いたように自分は主将だけでなくエースでありたいとも思います。これから先、ゴルフ部の運営で今よりもっと時間をとられるかもしれませんが、それを言い訳にして練習をさぼるようなことはしたくありませんし、試合の最中に「もっと練習していたら」と感じてしまう機会なんてあって欲しくありません。どんなに忙しくても、気分が乗らなくても、少しでもいいから毎日練習することを大切にしていきたいです。


ありきたりになってしまいますが、ここまでゴルフに対して本気になれているのは同期の存在があったからこそだと思っています。この代ではなかったら、こんなにゴルフに対して打ち込めていたかはわかりません。これからは部の運営でもたくさん力を貸してもらうと思うので本当によろしくお願いします。


多分卒部する頃にもう一度ブログを書く機会があると思います。その時に今の自分のブログを見て何を感じるのかすごく楽しみです。来年秋のリーグ戦の優勝は現実的には中々厳しいと書きましたが、諦めたわけでは決してありません。いい意味で今の自分の期待を裏切られるように、これから精進していくつもりです。


拙文失礼しました。次は寝不足だとスコア出ないんだと言いつつ、いつも寝不足でラウンドに来ている荒木にパスしようと思います。


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