技術面は?
満足に成長することはできなかった。
精神面は?
少しは成長できた。
黙っていたのが、しゃべるようになった。
気遣いではなく、苛立ちを抑えるために。
昔はずっと焦っていた。
球を探し、進行が遅れ、ずっと焦っていた。
自分に集中することができなかった。
人に言われても集中することができなかった。
思いやりではなく、規則の枠から引き摺り出され、非難の擦り傷を負うのを恐れて。
いつだって遵守は大義であり、大義は弁明であり、弁明は成長の枷だった。
根底は変わらなかったが、認知は適応につながった。
部活に専念しなかったことを悔いている?
まず、一つだけを選び取る勇気はなかった。
何が得られ、何が得られないかはわからなかった。
ゆえに仮想は無意味であり、後悔のしようがない。
悔いはない。
ただ、歩き、球を探し、声をかけ、同期の最後の勇姿を目に焼き付けて、本当に羨ましかったし嬉しかったし悔しかった。
その瞬間に傾倒しているもの以外を、眼中に入れられないだけかもしれない。
思い出は?
夏はいやだけど、冬の素振りは嫌いじゃなかった。
最後にやっと順番を回せる。感慨深い。山田、どうぞ。
@二回の全消を経て。それでもやっぱり楽しかったし、感情の充実は間違なくかけがえのない物でした。ありがとうございました。
WRITER:川上健